ドン・キホーテの爆安おにぎりに見つけてしまった致命的なミス

外で仕事を終えた帰り道。時刻は既に夜8時過ぎ。家に材料はあるが、これからキッチンに立つのも億劫だ。
何か食べて帰るとするかと思いながら立ち寄ったドン・キホーテで100円のおにぎりを発見。しかもタイムセールで2割引きという爆安だ。
コンビニおにぎりの200円突破が当たり前になった今、スーパーの値引き惣菜を狙っているような諸君には教えたくない穴場である。
従来旅先でしかやらないケチ飯だけど、昼飯がちょっと重めのパスタだったし、夜はこれと家にストックしてあるカプヌーがあれば十分か。
ツナマヨと昆布を買って帰る。
2つで170円くらい。スーパー○出級の安さで、ちょっと心配にもなる。

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家に着いてすぐ電気ケトルで湯を沸かし、カプヌーができるのを無言で待つ3分間。
ツナマヨのパッケージを見つめていたらあることに気付いた。
「ツナとマヨネーズの絶妙なバランスを追及しました」
僕の頭の中に、行き止まりの道にぶつかった犯人のツナ子と彼女を追い詰めた刑事との決着のシーンが浮かんできた。
「マヨ男さんとの絶妙なバランスをどうして崩したんだ」と尋ねる刑事の問いにツナ子が答える。
「自分はツナマヨしかおにぎりで輝ける場所がないのに、エビだけじゃなく、たまに高菜やおかかとも浮気をするマヨ男さんのことが許せなかったの」
まるでサレ妻の自白に刑事の顔には一瞬だけ同情の色が浮かぶが、だからといって罪が免れるわけではない。
「何もあんなことまでしなくても、彼と別れるという選択肢だってあったでしょう?」
今さら言ったところで仕方のないニラレバ……、いや、たらればを刑事は問いかける。
「もし私たちが別れたら、全国のおにぎり売り場はどうなると思いますか?」
確かにおにぎりの世界からツナマヨが消えたら、売り場の一丁目一番地にぽっかりと穴が開くのは想像に難くない。刑事は暫く言葉を失った。そして静寂があった後、口を開き、
「奥さん、今までおにぎりとして愛されるために随分と無理をしてきたんだねえ」
と、ツナ子の眼をまっすぐ見つめて言った。
……なんて妄想がカプヌーが伸びるくらいの時間まで続いたのだが、「追及(ついきゅう)」は犯人を追い詰めたり、謎の解明を突き詰める時に使う言葉で、おいしさを突き詰めるのは「追求(ついきゅう)」の方でしょうよ、と。
印刷物として世に出てしまったら小さなミスも取り返しがつかない商業出版を経験してきた身からすると、他人事であってもゾッとする誤植だったが、AIに書かせたような記事がネット上に散見され、それを受けて誤字脱字に対する読む側の許容度も高まった今の時代。品質に関係ないこんな細かなミスに気付く僕の方がおそらく異質なのだろうと思った一件だった。

about me
鈴木 翔
静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済などノンジャンルでありオールジャンル。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。
