なかなか出てこない公衆トイレの引きこもり、DXとかで改善できませんか?
高速バス移動中のサービスエリアにて…
僕も人間だから当然、便意がある。子どもの頃は周りの目を気にして「うんちしたい」と堂々と言えない子だったが、今はちゃんと強い意志を持ってはっきり言える。年齢を重ねて進歩したことのひとつだ。そして、そういう大人になれてよかった。
さて、先日、高速バスでの移動中、休憩のサービスエリアでトイレに寄った。目的は小ではなく大の解消だ。それで個室の方を見るとどこも軒並み「使用中」を示す赤いランプが点いている。デパートや駅などでは珍しいことではないが、まぁ、サービスエリアだし、どこかしらすぐに空くだろう…と思っていた。
だがしかし、一向にどこからも中の人が出てこない。高速バスの休憩時間は残り15分。このままでは、こちらが出せないままバスが出るか、それともこちらが出せて戻ってもバスが出てしまっている…なんて冗談を言っている場合ではない。
普段の生活でもこういう時は対応に困る。個室だから内部がどういう状況かは中の人のみぞ知ることだ。時には中でガサガサとビニール袋をまさぐるような音が聞こえて、何か別のことをしてるだろって思うこともある。ただ、扉をノックして相手が出てきたとしても大抵の場合は溜息付きの不機嫌さを醸してくるので、どうでもいいところでイライラを抱えることになり精神衛生にもよろしくない。いっそのこと…、
「火事だー、逃げろー」
と外から叫んでみたら全員が一気に飛び出してきそうだが、嘘だと気づいた後の報復が怖いのでやらない。
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日本は(というリージョンを限定した言い方は好きではないが…)外向きのモラルは高いと思うけど、見えないところでのモラルはそこまで高くない。特にトイレの個室なんて最たる場所で、四方を壁に囲まれたところに隠れてしまえば周りのことなんて知ったこっちゃないという人は結構多い。特に男性の場合は個室を使う頻度が少ないのでその傾向は強い気がする。
もちろん、お腹の具合がとても悪いのかもしれないし、行動に時間がかかる高齢者なのかもしれない。でも、そういうの差し引いても公衆トイレに15分、30分という長い時間にわたって閉じこもるのはおかしいだろう。
そのお悩み、DXで解決してみませんか?
やはり性善説のような考えは捨てて、長く引きこもっている人を退出させる仕組みが必要だろう。それこそDX的な仕組みを取り入れれば解消できるんじゃないだろうか。
例えば「一回の利用は15分まで」をルールとし、それ以上閉まったままの扉を自動で検知して「スデニ15分入ッタママデス、ハヤク出テクダサイ」みたいな音声を流すとか。そして30分以上居続けるなど明らかに異常がある場合は、然るべき場所へメール等で通知を届けるなど、デジタルの力でそこら中の公衆トイレで頻繁に起こっている迷惑を解消できないだろうか。
待ち続けてようやくひとつ個室が空いて中に入ったら、便座に腰をかけた瞬間、詳しい中身は忘れたがトイレが「ヨウコソ」的なことを多言語で話し始めた。今のトイレはしゃべるのか。近未来的にはAIとかが投入されて「今日ノ、ウンチノ状態ハ良好デス」とか話してくれたりするようになるのだろうか…。いや、そんなことよりも長く粘っているやつを外に出す一言を言ってくれよ…とお尻にぬくもりを感じながら思った。
【about me…】
鈴木 翔
静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済などノンジャンルでありオールジャンル。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。