「アルバイト禁止」という決まりはブラック校則?

あることがきっかけで自分が生まれ育った町をGoogleマップで見ていたら、地元で一番最初にできたコンビニが今ではコインランドリーになっていて時の流れを感じた。

同級生の家がやっていた店だけど、おそらく彼の親父さんももう70代を迎える頃。息子の彼が継いだなんて話も聞かないし、オーナーの高齢化もあるんだろうか。そうでなくても周りに競合店が増えて最初のような独り勝ちはできなくなっただろうし。

一方で人件費の高騰の影響なんかもあるんだろうな…と。静岡県の最低賃金を調べたら今では時給885円。僕が高校生だった頃に比べると200円以上も高い。20年前と比べると5時間で1000円以上の差ができる。ベースがそれだと深夜帯は最低でも時給1200円くらいで設定しないと応募が来ないんじゃなかろうか。日中しかほぼ客が見込めない田舎のコンビニオーナーなんかは相当厳しいだろうな。

高校生が時給900円近くもらえるなんてうらやましいけれど、ところでやっぱり今でも多くの学校が「アルバイト禁止」なんだろうか。自分の経験からも個人的にはアルバイト禁止の校則って違和感を感じる。「小遣い稼ぎより学業優先」というのがおおよその理屈なんだろうけど、時間の使い方はその子次第。学外の生活をすべて学校が管理(監視)できるわけでもないし、家でゴロゴロしながらゲームをやっているくらいなら外に出て働いた方が家計の経済的にも社会勉強としても実になる部分が多いはずだ。「バイトのせいで学ばなくなる」と思っているなら、それは学校のエゴのような気がする。



僕自身の経験を話すと、僕の家は片親家庭だったので学校の許可済みでバイトをしていた。ただ、その許可には「働けるのは夕方5時まで」という縛りがあって、現実的に週末しか働けない。そもそもバイトできるようなところなんて片手で数えるほどしかない田舎だ。週末は他の高校生にとっても“稼ぎ時”だから「土日だけ」で雇ってくれるようなところはまずない。だから実際には平日の放課後もシフトに入る仕事をしていた。

ここでも何度か書いているように、ウチの高校は地元で「軍隊」と呼ばれるくらい校則が厳しくて有名な学校で、無断でバイトが見つかれば“重罪”が確定だった。だから、バイトをしているのはかなり少数で、クラスでも放課後に働いているのは僕くらい。平日2日か3日は夜10時までバイトだったので学校ではテレビの話題に乗れないことなんかは多かった。でも、それより当時はバイト仲間との関係の方が大きかったから、周りの会話をうらやましいと思うことはなかった。

ある時期は友だちの紹介で、もうひとつバイトを掛け持ちすることがあった。ママさんバイトがシフトに入れない夏休みシーズンなんかは月5万円を越える収入があったから、携帯電話を持ち始めた時から一度も親に料金を払ってもらったことがないというのは小さな誇りだ。

ただ、バイトをしていたからといって学業が疎かになったことはなく、成績はクラスでも常にトップを維持していた。バイトで時間が取れないからこそ短い時間に集中して勉強することを覚えたし、何より周りから「バイトしているから勉強ができない」と言われるのが嫌だという反骨心みたいなものがあった。その一方でバイトが学業面でもプラスになったことは多く、苦手だった理数科目を大学生の先輩が教えてくれたり、他の高校に通う子とも進路についていろいろと情報交換ができた。

学校で何かのミスをした時、ソリが合わなかった当時の担任に立たされて「バイトなんかやめちまえ」ってクラスのみんなの前で詰められたこともあった。でも、深夜に近い時間まで学校に残って部活をやっているような子は褒められるのに、社会の中で夜まで働いている子は叱られるというところには違和感を禁じえなかった。通りいっぺんの「常識」で捉えれば、担任の言っていることももちろん分からなくもなかったが…。

本当に取り止めのない話になってしまったが、いろいろひっくるめても高校時代のバイトはプラスの面が多かった。こんな風に社会全体が不安に包まれる時代になると、学業に支障が出ない程度ならば子どもが自分のこずかいくらいは自分で稼いでくれるようになると親も少しは楽になるだろう。学校がアルバイト禁止って締め付けてしまうのは、ある意味でブラック校則ではないだろうか。

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