「感染者いじめ」と「匿名の誹謗中傷」について思うこと

只今、原稿執筆中につき、今のうちに書き留めておきたいことを簡潔に。

今日、萩生田文科省が「感染者いじめ」をやめるようメッセージを出した件について、僕はTwitterでこんなことをつぶやいた。

言葉を使う仕事をしていることもあって、僕は自らの発言には常に「責任が伴う」と考えている。そして言葉は他人を伝って大きくなるか小さくなるかのどちらかだから、できるだけ2歩先、3歩先を読みながら慎重に言葉を紡ぐようにしている。



それに対して「匿名」という無責任な形で言葉を発する人は、自分の発した言葉がその先でどう影響するかという想像力に欠けているように思う。例えば、松江で大規模クラスター化した高校には「日本から出て行け」「学校をつぶせ」といった心ない中傷電話が届いたというが、もしそんな言葉が社会的に未成熟な生徒たちの耳に入れば、なかには心を病む子供を生み出すこともあると想像できないだろうか。匿名で言いっ放しのままというのは極めて卑怯なやり方だと思う。

こういう匿名の誹謗中傷に対して僕が考える対抗手段はただひとつ。Twitterにも書いている通り、匿名の人間がやってきたことを「晒せ」ということだ。

そう思ったのは、とあるユニークなお弁当店の店長に取材した時の話がきっかけだった(以下の話の内容で、それがどのお店なのかは丸分かりなのだが…)。その店はSNSを非常に効果的に運用している反面で、そのやり方が気に食わないという“アンチ”も多い。例えば、春の緊急事態宣言中もいつも通り24時間営業を続けたそうで(注:お弁当店はテイクアウト専門なので営業自粛の対象外)、自粛警察と思しき人からTwitterに心ないDMが届くこともあったという。

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ただ、普通の人ならヘコんで泣き寝入りになりそうなところを、ここの店長の対応は違った。そのDMをTwitterのタイムラインにそのままぶち撒けたのだ。

Twitter民は良くも悪くもテレビしか見ない層よりもずっと本質に忠実だから、全部晒してしまえば正しい方を支持してくれる。そして、それが悪質な中傷と判断されれば、今度は晒された側がTwitter民の攻撃を受けることになる。攻撃される恐怖を知れば、再び手出ししてくることはまずない。

また、この店では店内の様子をYouTubeを通じて24時間ライブカメラで放送していて、そこにはプライバシー保護の観点で賛否がありつつ、すべてを晒すことで万引きの件数が大幅に減っているという。



島根の高校も中傷電話の詳細を文字に起こすとなると多大なコストが必要になるが、ライブカメラの映像を垂れ流しにするだけなら、そこまでの手間は必要ない。いっそのこと中傷電話を生で見せて、匿名の中傷がどういうものであるかを晒してみてはいかがだろう。コロナの影響で従前の正義が揺らぐ昨今、リアルな誹謗中傷を客観的な視点で見れば、他人を攻撃することがいかに虚しいことか、世の中も少し目が覚めるのではないだろうか。

乱暴な意見だというのは承知の上だが、どこかで一石を投じていかないと、この負の連鎖は断ち切れないような気がする。SNSでも電話でも匿名の〝乱暴な〟意見は取り合わずに「晒す」。これに尽きると思う。

急いで書いたため、ほとんど思っていることの羅列になってしまったけれど、最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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鈴木 翔

静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済などノンジャンルでありオールジャンル。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。

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