懸賞品未発送のニュースを見て思い出したこと

今朝、Yahoo!のトップニュースにこんな見出しの記事が上がっていたのでこんなことをつぶやいた。

懸賞コーナーか。そういえば昔、僕も懸賞コーナーやっていたことあったっけ…。昔の仕事のこと、いろいろ話せないことも多いけど、こんなことくらいは話してもいいんじゃないかな。そういうことで、しばし昔話にお付き合いいただきたい。

知られざる(?)懸賞ページの裏側

今から10年前、中途で入った総合情報誌の編集部で1年半ほど懸賞コーナーを任された。毎号6つ、何か景品を用意しなければならない。

新人のほとんどが通る道とはいえ、新規の取材もなければレイアウトも変わらない、編集者としては大して力を試されないページだけに、正直、最初はやりたくないなって思っていた。でも、何度かやっていくと意外とこれはこれで編集者としての“美意識”が試されるなと感じるようになった。

総合情報誌だから景品にする物の縛りはないけれど、だからこそ6つのアイテムの並びが難しい。男性が喜ぶもの、女性が喜ぶもの、食べ物、おもちゃ、健康グッズ、コスメ、宿泊券、商品券、話題の新商品などなど…。美意識的には全部が“スター選手”でもダメだし、スターと脇役のバランスが大切。おかげで発売前の新商品には誰よりも詳しくなった、笑。

手を抜こうと思えばいくらでも大雑把にできてしまうし、どんなページになっても結局は自己満だから、きっと周りには熱量が伝わっていなかったと思うけど、毎号僕なりに頭を悩ませていた記憶がある。

ちなみに景品の選び方は大きく2種類に分かれて、PR会社などの案内で話題の新商品を提供してもらうものか、こちらの決め打ちでメーカーなどに直接オファーしてお願いするものかのどちらか。PR会社を通した方が発送までお願いできて断然ラクなんだけど、それだけで固めると大体どっかの雑誌とカブるという。笑

なお、短い期間で得た浅い経験則だけど、一番応募数が多いのは「〇〇」、2番目に人気なのは「〇〇〇〇〇〇〇」。さらっと言ってしまうのは面白くないので、答えは本記事の一番下に書きます。ヒントは「僕自身がもらったら一番嬉しいもの」。さて正解が解るでしょうか?

入社2年目、さらなるハイレベルを求められる

ウェブと違って読者の直接的な反響が見えづらいから、ある意味で懸賞ページは記事ページよりも面白い。応募されてきたハガキを通じて読者の方の声も見えるので、とてもタメになる。でも、美意識を持って追究すればするほど景品ハンティングがハードになるので「ある程度のところで担当から外してくれないかな」なんて思っていたら、入社後1年くらい経ったところで大きな組織改編が行われることに。

よっしゃー、編集長も変わって、これは担当替えあるぞ!って思っていたら、まさかの懸賞担当継続…。しかも新しい上司が僕と心を同じくする懸賞コーナーに熱い人間で、さらなるハイレベルを求められることになったのである。

「毎回テーマを持たせて、懸賞コーナーを雑誌の目玉のひとつにしたい」というのが彼の指示。しかし、そうなるとほとんどの景品を直オファーで探さなければならない。「冬に食べたい鍋セットプレゼント特集」とか「温泉旅館の宿泊券プレゼント特集」とか、オファーをかけるのは普段懸賞なんかに商品を出していないところばかり。広報担当がいないところや商品提供に慣れていないところとやりとりするのはこちらの手間が大きくなるから、これは一層ハードだった。

いろいろなところにオファーをかけて、以前までなら全部が目玉商品になるような景品をかき集めながら、「自分は何のために頑張っているのか」と哲学的な疑問を抱えてデスクに肘をつくこともあったが、まさか懸賞コーナーであんなに熱くなるとは思わなかったし、今になってみれば良い経験だったと思っている。

今回の件は当選者に商品が発送されなかったことが問題になっている(抽選すらやっていない可能性もある)が、僕がいた会社は配送室に専属のスタッフがいて、各編集部の懸賞を1か所で管理していた。提供元から景品が編集部に届くたび、配送手配のために配送室を訪れていたので、自然とここが作業に煮詰まった時の秘密基地になった。実は退社する時に最も名残惜しかったのは、ここの人たちとの繋がりだったりする。

雑誌の景品未発送が問題化したのは初めてのことではないけれど、今回のような問題の本質は懸賞を軽んじて外部に任せてしまったことにあるだろう。雑誌にとって懸賞は読者と媒体を繋ぐ数少ないタッチポイントだけど、外部に投げてしまうとどうしても責任感は薄くなるのは否めない。提供元とのやりとりから発送まで自社で完結するべきだと僕は思う。

もう10年くらい前のことになるけど、こう書いてみるとやっぱり懐かしいものだ。

今日はやや長くなりました。また何か気になることがあったら書きますね。

それでは。

※人気の懸賞品クイズの答え
1番人気「お米」 2番人気「カップラーメン(1ケース)」
やっぱり目先の生活に役立つものが一番。いやー、いい景品が思い浮かばなくて頭が痛い時に、この2つにはよく助けられた。たぶん、これら専門で追っている懸賞マニアもいるんだろうね。

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