「プライドが高いやつは会社辞めても厄介」と感じてしまった先輩Kからの電話

先輩と後輩の関係って(会津若松の白虎隊の像より)

中途入社が扱いに苦労する年下の先輩

昨日は高校時代の思い出を題材に、斜め上の反応に固まってしまった話を書いたけれど、今日は社会人になってから経験した同じような話をもう一発。

昔、中途入社で入った某雑誌の編集部時代。同じチームに「Kさん」という人がいた。2歳年下だけど入社したのはKさんの方が半年くらい早い。見るから性格がキツそうな人だったが、普段はそうではないものの局面局面で我がままが出る人だった。とにかく3つくらい年下で半年くらい早く入っただけなのに、先輩のプライドを忖度してあげないと厄介な人であったことは間違いない。



そんなKさん。僕が入社して一年ちょっと経った頃に一身上の都合で家庭に入るということで退社が決まった。勤続2年弱。偉そうに先輩ヅラしてるのに辞める時は結構簡単なんだなって思ったけれど、まぁそれはいいだろう。

そして、退社されてからひと月経たないくらいの時に、当時まだ開業前の某巨大商業施設へ取材に行く機会があった。

報道陣のツアーに混じりながら館内を見学していた僕。すると、我々の前に公式キャラクターの着ぐるみがやってきた。施設と公式キャラの画は記事に必ず使うので、いろんな角度でパチパチと写真を撮っていたのだが、この着ぐるみ、なぜか僕の方だけに近付いてきたり、なぜかどついてきたりと異様に俺に絡んでくる。確かにマンガみたいな濃い顔立ちはしているが、特段キャラクターに好かれた覚えはない。笑

ちょっと違和感を感じていると、同行していた担当者が僕の耳元でぽつり「あの中、Kが入っています」と。なるほどね…、でも「え、あの人って家庭に入るじゃなかったの?」とまずは困惑。そして状況が飲み込めないまま、頭の中ではまだ自分の仲間という混同が起こる。そして、その方と「あ、Kだったんですね。がんばってます?」みたいな雑談をした。

お前の方はいつまで俺にタメ口なんだ?

それからまた数日が過ぎて、今度はその施設の“広報”という立場でKさんから電話が来た。

元同僚からの電話なので嬉しい気持ちもあり、こちらとしては好意的な反応をしたはずだったのだが、電話口に出たのが僕だと知ってKさんから出た第一声は…、

あのさぁ~、

鈴木くんさぁ〜

の一言。ん、何か怒ってる?

Kさんは続けてこう言う。

この前さぁ、

ウチに取材に来た時、

先輩に私のこと

「K」って

呼び捨てに

してたらしいじゃん。

きみさ、そういうの

やめてくれる?

は…はい?

いきなりやってくる斜め上の反応は、まるでザ・ワールド(←『ジョジョの奇妙な冒険』第二部参照)のように、こちらの思考を止める威力がある。

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この時もまた、あまりに斜め上の反応だったので、気遅れしたまま用件ある人に電話を繋いだが、あとからジワジワと込み上げてくるものがあった。

確かに現場で「さん」を付けなかったこちらに落ち度はあったが、まだ退職されて日が浅く、こちらは同僚の意識が抜けていなかった。それに「家庭に入る」といっていたことからの状況が読めなかった。もしも出版の仕事はハードだからもう少し軽い職場に転職した…ということであっても、当時ネコの手も借りたいくらい忙しかったであろうその施設の広報が、こちらの仕事よりもタフでないわけがない。何より同じチームにいたのに、そんな我々が足繁く取材に行く場所に転職するということを知らされていないこと自体に違和感がある。何はともあれ、こちらには外部の対応を要求するのに、今の電話であなたが言った、

鈴木“くん”

とはなんなのだ。

あなたの方は

いつまでも

僕の先輩なのか?



もちろん会社を辞めても先輩は先輩だし、今も昔も敬意を持って接しているが、これはそこまで怒りを込めて詰められることではない。そもそも大抵の人なら中途採用の新人でも相手が歳上ならば「さん」で呼ぶものだと思うし、最初から僕を呼ぶ時に「鈴木くん」がデフォルトになっていた、あなたのモラルがおかしくないだろうか。

「プライドの高いやつは辞めても厄介だな」と、勉強になるできごとだった。

珍しく会社員時代の思い出を綴ったが、社会に出てからの話はいっぱいある。ただ、今だに生々しい記憶ばかりで、あまり語ろうと思えない。いやはや2日続けて恨み節みたいな話になってしまったな。次は明るい話題を提供しますね。ではまた。

【about me…】

鈴木 翔

静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済などノンジャンルでありオールジャンル。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。

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