「好きこそものの上手なれ」ではなく「嫌いなものを上手にしろ」


たまには仕事の話をしよう。

この仕事をやるにあたって、僕はこれといって特定のジャンルを決めていない。
まぁ、強いて言うなら「旅」が専門ではあるけれど、「どこか行きました」なんてのはYouTubeやらブログやらで素人さんが簡単に出せる時代だけに、企画から深く関われるか、もしくは自分にとって金銭以外に大義名分があるもので無い限り、あえて手を突っ込みたいとは思わない。

いや、それもあるけれど、実際のところは、旅人とキャリアを両立してきた中で、いつしか両方の道が重なって、どこか遠くに行くことだけが「旅」と思わなくなったからかもしれない。



トラベルライターを経験したからこそ分かることだけど、旅モノじゃなくても、もともと僕らの仕事は「旅感」をはらんでいる。旅にしても取材にしても、自分にとって非日常な場所に訪れるというところは共通している。ジャケットを着て大企業のオフィスで経営者から話を聞くことも、非日常な場所で新しいことを知るという点でひとつの「旅」である。

よって、僕のモチベーションは知らないことを知るという好奇心からくるものが大きい。だから、単純に僕の属性だけを見て「この人にはできないだろうな」って思われるようなことを頼まれる方が内面で燃えてくるものがある。

例えば「10代女子が興味を持つように書いてください」とか、「すごく難しいテーマなんですけど…」とか、そういうオーダー大歓迎。難解なものを自分の中に落とし込んでいくのは、登山で一歩一歩と山頂を攻めていくような作業で楽しい。

好きなことだけをやっていてはプロとして、または一人の人間としても拡がりはない。興味がなかったものに仕事として関わることで興味を増やしていく。「好きこそものの上手なれ」ではなく、「嫌いなものを上手にしろ」ってところだろうか。

伝えたい人と伝えたい人との間を媒介して、モノを興味深く伝えるのが僕らの仕事の本懐。ジャンルというのはその次にくるもので、10個も20個も違う顔を持っているのが、僕らのような職業における真のプロフェッショナルだと思っている。

もちろん“資格”があるからこそ仕事は回ってくるわけで、知らないことをやりたいなんていうのは僕のエゴなんだけど、そういう仕事をしっかりこなしてクライアントに喜んでもらえた時は、いつもより何ミリか充実感が上がる。

いずれすべての経験が一つの道になっていくような気がしているけど、まだしばらくはこのスタンスを続けたい。

今日はささっと書いたので、いつも以上に乱文でござった。それでは。

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