結婚式の“お車代”を巡る、親友との不毛な争い

「持たざる男」の苦悩

僕にはもう四半世紀くらいの間、いろんな喜びや悩みを共有してきた大親友がいる。

出会いは彼が今の地元に引っ越してきた中学1年の時。そこからいろいろバカなことをやったり、一緒に海外旅行に行ったり、思い出を挙げればキリがない。

ただ、根っこにある考え方も笑いのツボも僕と兄弟のように似ている彼なんだけど、ひとつだけ昔から決定的に相容れないことがある。

それは結婚観だ。

昔からどちらもモテた方ではないけど、彼女なんていなくていいやって旅や登山など一人遊びが中心な僕に対して、スキューバ、スノボー、ソフトバレーと女子人口が多そうな遊びを選んで出逢いを探しまくっていた彼。

時には彼女ができなくて落ち込んでいる彼に「彼女なんていなくてもいいじゃん」とか「そのうち、いずれできるだろ」とか言って火に油を注いでしまい、余計にネガティブな気分に落としてしまって気まずい雰囲気になることもあった。



そんな彼ではあったが、数年前にソフトバレーを通じて出逢った彼女と結婚。今や二人の子を持つ良き父親として、夢のマイホーム購入に向けてハリのある人生を送っている。

彼とは今もLINE等で頻繁に話す仲なのだが、かつての飢えていた時代とは違い、ちょいちょい彼から「持っている男」ゆえの上から目線を感じることがある。

例えば、結婚式直後に話をした時に「僕は自分が結婚式やるにしても、あんな風に雛壇でニコニコ座ってるの無理だなぁ」と言ったら、

 あぁ、それはさ、 

 結婚式っていうのは、 

 奥さんのために 

 やるものだからね 

なんて、説教のように言われたり(本当にそうなのでしょうか?)、

子どもの話になったら、

 仕事なんかより 

 子育ての方が 

 よっぽど大変だからな 

って言われてしまったり(仕事だけやって、楽に生きててスミマセン…)。

きっと昔の君がおんなじこと言われたら絶対にネガティブの闇に落ちていたぞって思うのだが、立場が変われば昔の自分のことなんて簡単に忘れてしまうのだろう。

独身だからといって何も知らないわけじゃない

最近もこんなことがあった。

名古屋で行われた彼の結婚式の際に「お車代」を僕に渡し忘れたという話題の中で、「今も袋に入ったままになっていて渡せていないのが気持ち悪い」という話になった。

正直、僕はそういうの無頓着なところがあるし、地元(浜松)の結婚式に出るのも名古屋の結婚式に出るのも交通費は大して変わらないので、どっちにしろ結婚式当日ももらうつもりはなかった。だから「そもそも兄弟みたいな関係だし、自分が行きたくて行ったのに俺だけ交通費もらう方がよっぽど気持ち悪いぞ。本当の兄弟だってお車代はもらわないだろ」って返した。

まぁ、彼の身になってみれば、僕の言い分が自分勝手に見えるのはおかしくない。ただ、まぁ、これだけ長い関係なんだからお車代ひとつでチマチマしたこと言うなよ…と。

すると彼はこう返してきた。

 結婚式のお車代は 

 遠くから来て頂いた方の 

 負担が少なくなるようにってことで 

 こちらが決めることだけどな 

ああ、ああ、ああああ、また出ちゃったな、君の上から発言が(笑)。
こっちだってそんなことは分かった上で遠慮して言っているんだよ。




ついでに言っておくと、こっちが独身だからといって、こういう話になると何となく「お前はそんな常識も知らないのか」的な口調になるのだが、

 俺は兄貴やら姉貴やら 

 親族やら友人やら 

 これまで君よりたくさん 

 結婚式に出てるから、 

 お車代の常識なんて知ってる。 

 あと、ウチは10年前から 

 姉に子どもがいて、 

 いろいろ見たり聞いたり 

 しているから 

 独身だからって 

 何も知らないと思ったら 

 大間違いだぞっ! 

そう返したら彼からはそれに対しての返事はなく、結局「封を解き放って子どもに好きなもの食べさせてあげてくれ」と伝えて、僕のお車代は子どもたちのおやつに変わったのであった。笑

他人だから価値観の違いがあるのは当たり前のこと。恋愛観・結婚観のズレを除けば、こんな面倒臭い性格の僕に付き合ってくれる彼は最高の親友だ。今は友だちとも簡単に会えない状況だし、こんな子供みたいな言い争いができる仲は貴重だなってお話でした。笑

【about me…】

鈴木 翔

静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済など様々。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。

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