丹沢・ヤビツ峠〜塔ノ岳「丹沢・表参道コース」登山で紅葉を見てきた

先週末、紅葉を見るために丹沢へ行ってきた。

前々から行ってみたいと思っていたが、気温20度を超える時期はヤマビルが出る場所としてもよく知られているので、気温も下がり紅葉シーズンでもあるこの時期を選んだ。



丹沢には幾つかの人気コースがあるが、今回歩いたのは標高761mのヤビツ峠から標高1205mの三ノ塔を経て、標高1491mの塔ノ岳へ行く「表屋根縦走コース」。歩行距離14キロ、約6時間半の道のりだ。

ガイドみたいなことを書くのは当ブログの本意ではないので、ここでは記憶による主観的な感想と写真を中心に述べていく。

秦野駅前には終わりが見えない(!?)行列

ヤビツ峠に向かうバスが出るのは小田急線秦野駅の北口バス乗り場。小田急では新宿方面からの往復と丹沢周辺のバス・ケーブルカーが2日間乗り放題の「丹沢・大山フリーパス」を販売している。大山ケーブルカーも乗れるAキップと鉄道&バスのみのBキップがあるが、今回は大山には行かないのでBキップを利用した。

コース以外に何の下調べもせずに出かけたが、秦野駅に停車すると堰を切ったように改札に向かう登山リュックを背負った人たちの群れに巻き込まれた。そして我先にと急ぐ人々の流れに添ってバス停に着くと、そこには駅前広場をはみ出して400メートルくらいはありそうな長蛇の列が…。

やはり紅葉シーズンだけにみんな考えることは同じだ。ヤビツ峠に行く7時台のバスは2本しかない。前にこれだけの人数がいたらバスを何本待たなければならないのだろう。それにこの様子じゃ登山口まで辿り着けても富士山のような数珠繋ぎの列の中を歩くことになりそうだ。

仕方ない

ここまで来たけど

諦めて帰ろう

普段から行列に並ぶのが嫌いな僕の頭の中にそんな考えがよぎった。

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すると前の方がするすると動き始めた。そして始発のバスが出て行ったバス停には、すぐ次のバスがやってきた。どうやら臨時便が増発されているらしい。おかげで帰路に向いていた絶望から見事に立ち直り、15分ほど待つだけでバスに乗ることができた。神奈中バスさん、ありがとう!

起伏は激しいが景色は最高!

ヤビツ峠まではバスで通常50分かかるが、ほぼ登山客しか乗っていない臨時便はそこまでかからずに終点に到着した。準備体操と登山届の提出を済ませて8時半に登山スタート。

なお、ルートマップはヤマケイ・オンラインの「丹沢・大山 安全登山マップ」をスマホにダウンロードして使わせてもらった。

ヤビツ峠からは反対側の大山を目指す人もいるなど目的地ごとに人が散らばるので、思ったほどの混雑ではなかった。20分ほど平坦な舗装路を歩くと公衆トイレがあり、そこから山道に入る。

このコースは全部で7つ以上のピークを越える。最初のピークとなるニノ塔までは林道が続き、さほどキツい登りではないが、コロナ禍で鈍った体には少々堪える。追い越し追い越されながらすれ違う人たちからも厳しそうな息づかいの音が聞こえる。周囲の山に秋の色付きを感じるとはいえ、変わり映えのない景色が続き、特に単行者にはただただしんどい。

登山靴も久しぶりの出番♪

たまに向かい側から来る人たちとすれ違うが、みんな「こんにちは」と挨拶を交わしていく。山歩きは去年の尾瀬燧ヶ岳以来になるが、尾瀬では挨拶を交わさない人も多いので、久しぶりに本格的な登山をしている実感が沸いた。

丹沢表屋根の末端であるニノ塔に出ると視界が開けてくる。さらにここから20分ほど歩くと、ハイライトのひとつである三ノ塔に着く。この日はあいにく山域を大きな雲が覆う不安定な天気だったが、ニノ塔からは雪をかぶった富士山頂もうっすらと拝むことができた。

ここには広い休憩所があり、昼ごはんを広げている人も多く見かけた。ただ時計を見ると、まだ11時前。僕はもう少し先にしようと思い、早々にここを後にした。

鎖場もあって、なかなか歯応えのある尾根歩き

鳥尾山頂までの途中で見られる景色はなかなかフォトジェニックだ。三ノ塔を大きく下ったところから鳥尾山がそそり立ち、その右手には尾根沿いに秋色に染まった山腹が見え、背後には丹沢の山々がそびえる。山頂にある鳥尾山荘が良い味を加えていて「表屋根」を実感する瞬間だ。

それと同時に鳥尾山までのアップダウンを目の前にして、これまで登ってきた苦労が水の泡になるような虚無感を感じる瞬間でもある。ただ、林道歩きの登りに比べると尾根歩きはそこまで厳しく感じないはず。

なお、ここからの道は数カ所の鎖場があり、アップダウンの繰り返しもあって、千メートル級の低山ながらなかなか歯応えのある道のりだ。

鳥尾山荘前の広場で持参したレトルトカレーの昼食を済ませた段階で12時半。コースマップによると、ここから登り降りの折り返しとなる塔ノ岳までは2時間半、さらに大倉尾根を経由する下りに2時間弱。計4時間半以上が必要だ。この時期は17時前には陽が落ちるから、休憩なしで歩いても日没前の下山にはギリギリ。まぁ、ヘッドランプを持ってきているから最後の少しは暗くなっても仕方ないだろうと思ったが、そういえばずっと使っていなかったヘッドランプをリュックから取り出してみると、まさかの電池切れ…。こんな時が単独行のつらいところで、日没前には下山しなければ大変なことになる。そういうわけで登りの後半は少しペースを上げることになった。

行者ヶ岳、政次郎ノ頭というピークを越えながら新大日の山頂へ。登っては降り、また登るの繰り返しだが、ほとんど木道と階段が敷かれている。階段というのは人が決めた間隔を歩くことになるので無い方がいいと思うこともあるが、足を滑らせやすいガレ場やぬかるみの上を歩くことを思えば、ここではありがたい。尾根に出たということもあるが、昼飯を済ませて荷物がだいぶ軽くなったことも大きく、前半よりも楽々と歩けるようになった。

政次郎ノ頭に出ると、前に見える山の連なりの左手に尊仏山荘がある塔ノ岳が見えてくる。前だけ見ていると見落としてしまうが、これまで来た道のりも芒が揺れ、秋色に染まっていて味わい深い景色だ。



新大日まで辿り着けば、もう塔ノ岳まではもう一息。再び大きく降って登る道のりだが、「あと少し…」という思いが元気を与えてくれる。

そして塔ノ岳の山頂に到着。あいにく山頂の周りは雲がかぶっていたが、周囲の紅葉は見渡すことができた。何より景色よりも、久々の登山でしっかり登り切ったという達成感を感じられたのが大きい。本当なら百名山の主峰・丹沢山まで行きたいところだが、今日はここで折り返し。時間もないので登頂の感動を10分だけ味わい、早々と下山道に入った。

下りは得意な方だと思っていたが、正直、体への負担は下りの方が大きかったかもしれない。何しろ約7キロで1000メートルくらいの高さを下る。登りと同じく木道と階段があるため、神経を集中する箇所はほとんどないが、とにかくひたすら下る。恥ずかしながら半分くらいで膝が笑い出し、脚がプルプルと震えた。それでも日没前には…と歩き続け、わずかに明るさが残る17時前に下山することができた。

久々の登山だった上に下りがあまりに激しく、恥ずかしながら今週はずっと筋肉痛が消えず…。それでもすばらしい紅葉は記憶に深く残る景色だった。

【about me…】

鈴木 翔

静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済など様々。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。

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