いまだに疑問が残る「中学の同窓会の開催日」について

行きたくてもその日じゃ行けないよ…

コロナ禍の世の中になって、こりゃ当分ないだろうなぁ…と思うもののひとつに「同窓会」がある。そもそも僕らの年代だと10年に一度かどうかという周期で行うイベントだ。ZOOMなどが普及した今ではオンライン同窓会みたいな形もあるようだけれど、そういう希少な機会を感情の共有に欠けるオンラインで消費してしまうのももったいないし、学年全員を巻き込むような規模の同窓会をネット上でやるのは現実的ではない。

「会うべき人とは、またどこかで必ず会う」と思っている僕なんかは、特に思い入れのない人も含めて集まるという機会にそこまで価値を感じていないわけだが、その反面で、会える人とは会えるうちに会っておくことの重要性を感じる歳にさしかかってきたことも否めない。それゆえに、こうしてコロナ禍になって地元との距離が開いてしまうと、「一回の同窓会の重み」というのが、より大きく感じられるのである。



実はコロナ禍以前の数年前に中学の同窓会が開かれたのだが、それは“やむなく”欠席した。2ヶ月前に出欠を問われたわけだが、その頃から2ヶ月後の仕事が決まっていたわけでもなく、別にプライペートの用事があったわけでもなく…。ただ、LINEを通じて送られてきた招待状に書かれていた開催日がどうにも悩ましい日付だったのだ。

12月15日(土) 18時~。会場は地元の宴会場。

うーむ、年の瀬のメチャクチャ忙しい時期だ。しかも、その年は年末年始も実家に帰る必要があったから、この時期に同窓会と年末年始で2度、地元に帰る必要が出てくる。

ちなみに僕の地元は浜松市の山間部だ。地元に帰るには、東京駅から新幹線に乗り、浜松駅からさらにローカル線に乗って片道だけで3時間近くかかる。無論、四国や九州などに故郷がある人に比べれば近いかもしれないが、それでも費用面と時間面の移動コストは小さくない。

さらに連休中ではないので、その会に出るだけのために東京と地元を往復することになり、年末の書き入れ時ゆえにドタキャンとなることも大いに予想される。

まあ、現状で出席できないわけではないので、めんどくさいことを言わずに「出席」に丸を付けて返し、あとは状況次第でドタキャンならドタキャンすればいいや…くらいに考えるのが大人の対応なのだろうが、仕事でスケジュール調整を頻繁にやっている人間からすると「なんで、この日なんだろう?」という疑問と、おそらくその裏に隠れた恣意的な考えが漠然と浮かんでくるのである。

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かつては同じ学び舎で過ごした仲間も、当然大人になれば進学や結婚、その他の事情で多くの人が地元から離れている。実際に僕の地元である田舎も同級生の7割くらいは近隣の都市部に越したり、名古屋や東京などで暮らしているのではなかろうか。

そういう中で大勢を集めて同窓会を行うならば「一番遠くに住んでいる人でも出席しやすい日を選ぶ」のが定石だと思う。もちろん一番遠いといっても、最初から参加が難しい海外で暮らしている人なんかは除いてではあるが。そんなことを勘案して考えれば、

年末年始、ゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィークなど帰省シーズンの前半

のいずれかというのが、健全な日程ではないだろうか。

普通の週末にセッティングされても遠隔地から来る人はわざわざそのためにスケジュールを割かなければならない。家庭のある人であれば、さらに予定が立てづらいだろう。それに対して連休であれば、実家への挨拶や滞在を兼ねながらゆっくり帰省ができる。また、連休でも前半の方にセッティングしてくれれば、後のことを考えずに気持ち的にも余裕を持って参加できるというものである。

いろいろ自分なりに推測してみたが、きっとこの時は年末年始は親戚周りで忙しい…という人が幹事をやっていて、自分の都合を優先させたんだろうという認識で落ち着いた。そして意見を言ったところで覆ることはないことがわかっているので、何も言わずに丁重に「欠席」に丸を付けて返信した。おそらく僕と同じような人が多かったのか、出席人数は全体の4割程度だったと後になって聞いた。今の価値観に照らし合わせれば、半分も集まらないなら移動の負担を問わないオンライン同窓会の方がよっぽどいいような気がしなくもない。



一応補足すると、僕も同窓会をセッティングしたことがあるので幹事の苦労はよく分かっていて、日付や会場を決めるのは開いた人間の専権事項だと認識している。どの日に設定してもどこかしらから不平不満が飛び出すものだが、文句を言う人間に対しては「じゃ、あんたが開けば?」という答えに尽きる。しかし、だからこそ、正しい判断のできる人間が幹事ではない集団はいろんな面で損をするのである。

まぁ、おそらくコロナに対する認識への足並みが揃わない中で、この先5年くらいは同窓会をやろうなんて話は出てこないだろう。それゆえに“12月15日”の同窓会に参加できなかったことが余計に悔やまれるのである。

【about me…】

鈴木 翔

静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済などノンジャンルでありオールジャンル。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。

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