ビジネスメールの作法で、たったひとつ覚えておきたいこと

おまえ、だれやねん?

新しいものにアジャストしながら、それでも割と古風な産業の中で育ってきたので、礼儀を欠いた態度にはイラッとすることがある。最たるものが送られてくるメールの作法だ。

仕事上のメールといっても、会社員ではない僕は外部とのやりとりしかないので、社内メールのやりとりは論外とする。



言わずもがな、メールによるコミュニケーションには口頭で話している時のような“温度”がない。一方で、仕事上だと決して耳障りが良いと言えないことを端的に伝えなければならない場面もある。それゆえ、こちらとしては何気なしに送ったメールでも、相手によっては悪意を含んで受け取ることがないとはいえない。

とはいえ、ズバッと言えば30文字とかで済むようなことを回りくどくオブラートに包んで言うのもどうかと思うので、最低限の礼儀として次の3つを本題の前後に付けることにしている。

・宛名(〇〇様)

・お世話になっております。

・よろしくお願いします(申し上げます)。

多くの人には非常に当たり前の3点セットだと思う。世の中には「メールに“お世話になっております”を付けてくる人間はバカだ」という文化人もいるようだが、気心知れた関係ならそれもわからなくはないが、(少なくとも片方が)そういう距離感に感じていないうちは「親しき仲にも礼儀あり」だと僕は思っている。

相手から受け取るメールも、このうちひとつ欠けると「残念」、二つかけると「最悪」、三つかけると「ありえない」という感情にさせられる。なかには、チャットみたいに思っているのか、雑に「用件だけ」伝えてくるやつもある。住所だけ書かれていて宛名のない手紙が送り手に届くかどうかは知らないが、果たして宛名すらないような“誰に送っているかわからない”メールを相手にする必要はあるのだろうかと思ってしまう。

これに対する僕の持論は非常にシンプルで、

メールの作法は丁寧な方のマナーに合わせとけ

ということ、ただひとつである。

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上位に合わせておけば何も起こらないが、自分のスタイルを貫いて敬意を欠く物言いをしたところで相手に不快な思いをさせるリスクしかない。そして、そもそもそういうことに気が付かない人は、きっと他人と衝突することばかりでコミュニケーション重視の仕事は向かない。そして、これを踏まえて、僕の3点セットも最低限の礼儀しか求めていない。

無論、僕だって「この人のメールは丁寧すぎるなぁ…」と思うことはある。ただ、だからといって自分のスタイルを貫いたところで、まず良いことはない。これは相手に会う時の服装なんかも同じことが言えるだろう。効率とか元来の人間性とかいろいろあるだろうが、仕事上では相手に合わせることもリスペクトのひとつである。



ついでをいえば、署名の付いていないビジネスメールもいかがなものかと思う。メールのコミュニケーションがベースの相手でも、電話での連絡が必要なこともある。最近では一度も対面する機会なく進む仕事も少なくないので、スマホのメモリに電話番号を入れていない仕事相手も少なくない。そういう人に連絡をとる場合、だいたい真っ先に見るのはメールの署名だ。

例えば、取材先で重大な確認事項ができた時に署名を見ても苗字だけで連絡先が書かれていない。これは焦る。署名など、ブラウザが自動で付けてくれるのだから、それくらい設定しとけって思う。

まぁ、最初に「古風な産業の中で育ってきた」と書いたが、これは古いも新しいも関係なく個人差によるよころだと思う。若いのにとても丁寧なメールを送ってくる人がいれば、年配でもイラッとするメールを送ってくる人がいる。ひとえに年代で切れることではない。少なくとも自分は相手からリスペクトがないと思われないようにしたいと思っている。

【about me…】

鈴木 翔

静岡県生まれ。東京都中央区在住。出版社や編プロに務めた後に独立。旅好きでこれまでに取材含めて40カ国以上に渡航歴あり。国際問題からサブカルまで幅広く守備範囲にしています。現在は雑誌、実用書などの紙媒体での編集・執筆だけでなく、WEBライターとしても様々な媒体に関わっています。ジャンルは、旅、交通、おでかけ、エンタメ、芸術、ビジネス、経済などノンジャンルでありオールジャンル。これまでの経験から「わかりにくいものでもわかりやすく」伝えることがモットーです。

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