インド映画「きっと、うまくいく」を見て、またもらい泣きしてしまう

たまにはラフな話題で、好きな映画の話をしよう。

この後ブログに上げようと思っている某国の映画について友人と話していたら、話が逸れてインド映画の話題になった。そこで2年くらい前に見たインド映画の「きっと、うまくいく」という作品がとても面白かったので彼に紹介したのだが、説明するうち「あれ、どんな話だっけ?」と思いprime videoを開いて確認していたら、結局もう一度通しで全部見てしまった。ミイラ取りがミイラになった気分である。



まぁ、つまらない映画は映画館で見ても寝てしまう僕が2度3度と見ても飽きないということは、それだけこの映画が傑作だということだろう。ちなみに2010年のインド版アカデミー賞でも16部門で受賞していることからも、いわゆるボリウッドの歴史に残る名作中の名作であることは間違いない。

prime videoから拝借したあらすじは下記の通りである。

日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。エンジニアを目指す天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械より動物好きなファルハーン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの“三バカトリオ”が、鬼学長を激怒させ、珍騒動を巻き起こす。 抱腹絶倒の学園コメディに見せつつ、行方不明のランチョーを探すミステリー仕立ての“10年後”が同時進行。根底に流れるのは学歴競争。加熱するインドの教育問題に一石を投じ、真に“今を生きる”ことを問いかける万国普遍のテーマ。(prime videoから引用)

舞台になっているICEとは、同国の最高学府であるインド工科大あたりがモデルなんだろうか。受験者のうち1%くらいしか受からないというこの超難関大学に3バカトリオが入学するところから話は始まる。男ばかりの全寮制大学で同部屋になった三人は学長との対立や家族からの大き過ぎる期待など様々な壁にぶち当たりながら熱い友情を深めていく。ストーリーの中には卒業するまでの学内競争の過酷さや、学生が企業に赴くのではなく企業の担当者が大学に赴くというインドの一流大学特有の文化を垣間見ることができる。

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大学生活の4年間というのは人生において不思議な時間だ。高校までは同じ地域で生まれ、均一の文化で育ち、大きな格差もない集団の中で生きていたのが、大学に入ると様々な違いや格差に初めて直面する。それまで見たことのないような秀才もいれば、同じ日本語でも方言コテコテで会話に躊躇するような奴と出会ったりもするし、留学生という海の外から来た人もいる。そして何の苦労をせずとも高級車に乗っているような“ボンボン”もいれば、バイトをいくつもかけもっている苦学生もいる。ただ、どんなバックグラウンドを持っている奴でも大学という箱の中では同じ一人の学生だ。そんな若者たちが同じ目標に向かって友情を深め、4年が経てば再び別々の世界へと散っていくというのが大学という場所の面白いところである。本作に出てくる三人もまったく違う境遇で育ちながら、かけがえのない関係を築いていく。格差を越えた友情。先入観にとらわれないものの見方。個人的には、そこに国境を越えて多くの人の共感を得る本作の真髄があると思う。

ちなみに貧乏の苦労人だからといって頭が良いというわけでもなく、この映画のランチョーのように一番の金持ちが最も秀才ということもある。人生というのは実に不条理だ。そんな中で“自分と違う人”とどう付き合っていくか。大学生活の4年間はそういう人間関係を学ぶ期間でもある。余談を言えば、それだからこそ、コロナ禍によって多くの交流が絶たれている今の大学生のことを思うと不憫で仕方がない。



メインを張るランチョーは大金持ちの家で育ち、ちょっと浮世離れした天才肌のキャラクターなのだが、肝心な場面ではとても人間味のある姿を見せる。自分のことよりも友人のことを思って泣く。その涙にこちらももらい泣きしてしまう。そして、そんなランチョーに振り回されながらも、彼のことが好きで仕方がないファルハーンの眼差しもいい。個人的には、この俳優が僕が大学時代にインドでホームステイしたホストファミリーのミリンダ君に何となく似ているというのもあるが、僕はこのキャラクターに最も親近感が沸く。そして夢と友情との間で心揺れ動き、最も大きく成長するラジュー。さらに負けず嫌いでズルい手段を使ってでも周りを蹴落としたいチャトゥルという敵役的キャラもいて、学生時代を経験した人ならば、きっと四人のうちの誰かに共感を感じるはずだ。

なお、本作の原題は「3 idiots」だそうだが、邦題の「きっと、うまくいく(All Is Well)」の方が適切なタイトルだろう。そして、この映画を紹介した友人は「2時間51分は長いから2日に分けてみる」と言っていた。かの国の映画館では、演劇などを見る時のように前後半の間に休憩が入るので、その見方は正しい。本作でも親切に前半が終わったところでアナウンスが入る。ただきっと、前半を見たら翌日まで待たずにすぐ後半が見たくなる。そういう作品である。おわり

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